自分の最初のギターヒーロー「Jim Hall」
もともとはヘビメタ少年だった黒田大祐がジャズに目覚めるきっかけとなったのがロサンゼルスへの留学でした。
別に「ジャズが好きだからロサンゼルスで勉強したかった」訳ではなく、
「ギターがうまくなりたくてアメリカに行った」というのが留学の理由です。
アメリカの学校に行ってみるといきなりジャズを弾かされました。
ジャズが弾けるようになるというのも学校の方針だったのかもしれませんが、
音楽やギターのしくみを理解する為にジャズを弾かせていたような気がしています。
あとは教えていた先生がジャズのプレイヤーが多かったのもそうかもしれません。
その時の同級生の清水邦浩さんがジャズのCDをたくさん聴かせてくれました。
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ジャズの何も知らなかったし、聴いてすらいなかったのでクニさんは当時の自分がハマりそうなCDを選んでくれました。
その一枚がこれ。
「Jim Hall/ アランフェス協奏曲」です。
衝撃的な演奏でした。
ジムホールというギタリストを知ったのがこの時です。
当時ヘビメタ少年だったので、何が起きているのか全く分かりませんでしたが、
エキサイティングな演奏というのだけは分かったのを今でも覚えています。
即興演奏というものに興味を持ちはじめました。
あとあともっとジャズを聴くようになってからまたこのアルバム聴いたときも最初を超えるくらいの衝撃を受けました。
ジャズはその背景が分かってくるとより面白いものです。
録音された時代の事や、一緒に演奏しているメンバーの事、どんな機材でどんな録音をしてたかとか。
チェットベイカーを聴くようになってからそういえばこれってと聴き直してみたり、
ドラムってこれスティーブガッドなの?みたいな。
収録されているYou’d be so nice to come home toは今でも演奏する曲のひとつですが、
このアルバムのイメージが強すぎて自分の演奏ができないくらい素晴らしい演奏をしています。
矛盾していますがこのテイクを聴かなかったらもっと自分はうまく弾けるんじゃないかというくらいすごい演奏です。
もう一枚オススメは
「Jim Hall & Bill Evans/ Undercurrent」です。
これはBill Evansと二人だけで演奏しているアルバムです。
楽器が2つだけなので、音とリズムを使って会話しているような様子がよく分かります。
そして聴いていると途中からどっちがどっちか分からなくなるような瞬間もあります。
ジャズギターの音ってかっこいいと思いました。
当時歪んだエレキギターの音ばかり聴いていたので。まあ今も歪ませて弾きますが。
そして幸運にもJim Hall本人とお会いする機会がありました。
その話はまたいつかしたいと思いますが、
自分のリアルブックにサインをしてくれたジムホールが、
漢字で「平和」と書き加えてくれたのです。
まあちょっと漢字間違っちゃったみたいですけど。
今はもう会って話すことは無理ですが、今だから聞きたい事いっぱいあったのに。
「アランフェス協奏曲」のなかに「the answer is yes」という曲があります。
天国からジムが答えてくれているような気になります。
その答えは自分で見つけるしかないということですね。
大切なのはいつもシンプルなアイデア。
そしてそれを発展させる事。